学校に提出するために書いた原稿です。

1.製作ロボット 拍手鶴采

 電子制御研究会では、昨年度の反省を踏まえ、ロボコン地区大会が地元開催と言うこともあり、例年のように他の大会に参加せず、全員でロボコンに取り組んだ。目標は「地区優勝、全国優勝、さらにロボコン大賞獲得」とかなり大きく掲げた。  マシン名の「拍手鶴采」は、昨年度のロボコンで散々な結果に終わってしまい、今年度こそは拍手喝采を受けられるようなマシンにしよう、ということと、電子制御研究会のマシン名に「鶴」の字を入れる、と言う伝統から決定された。  マシンは、競技フィールド上段でも下段でも戦えるものにした。得点方法のアイデアはなかなか固まらず、実際に製作してから使えそうなものを採用した。

2.マシン本体の構成

 写真1にマシン本体の全景を示す。マシンは足回りとアーム、ハンド部から構成される。


写真1 マシン全景

2.1 足回り

 足回りは、階段を登ることを前提に考えた。これは、ロボコン大賞の獲得も視野に入れていたためで、それには階段の昇降は必須だと考えたためである。 この足回りの基本構造は、大学で研究されていた不整地走行車のものである。それを今回の競技フィールドの階段用に特化した。 足回りのフレームは中央で折れ曲がる形になっており、これにより、階段を昇降する際のマシン上部の揺れを軽減している。 階段を昇降する際はタイヤを6輪とも回転させる。段を登る際、壁面をタイヤが駆け登る形になるので、タイヤには摩擦の大きい滑り止めをはっている。 タイヤの間隔も階段にあわせてあり、前・中・後のいずれかが側面に接している時、他の4輪は水平面に有り、接している2輪を側面に押し付ける形となっている。 平地を走行する際は中央の2輪で走行する。2輪にする時は、写真2に示すように、キャスタで前後輪をジャッキアップして浮かせている。中央の2輪で走行するので、旋回性が非常によくなっている。


写真2a 階段を上るとき


写真2b 平地で

2.2 アーム、ハンド部

 写真3にアーム、ハンド部の全景を示す。


写真3 アーム、ハンド部

アームには、半丸形状の大きなギヤが取り付けられており、それを回転させて上下方向に向きを変えることが出来る。 四段構成のアームは最大2.5m伸びる。テニスラケットのガットで四段のアームを連動させて伸ばしている。写真4に伸びた状態のアームを示す。これにより、接地禁止ゾーンの外からのオブジェ貼り付けを行う。  ハンド部は上下二段で4個ずつ持つことができ、最大8個のオブジェを保持することが出来る。ハンドの開閉動作は、ラックとピニオン機構により行う。ベアリングの多用によりスムーズに開閉することができ、8個のオブジェを保持することが出来る(写真5)。ハンド部の付け根に関節を設けてあり、ハンド部も上下方向に向きを変えることが出来る。進入禁止ゾーンから第一、第三円盤の側面にもオブジェを貼り付けることが出来る。


写真4 伸びる伸びる

全国大会に向けての改良点 地区大会終了後、課題としてオブジェの取り込みの高速化が挙げられた。特に問題となっていたのがハンド部の開閉で、地区大会仕様のものはウォームギアを使用していたため大変遅かった。しかし全国大会仕様では、モータの強化により保持トルクが増し、モータを直結させることにより高速化を図った。さらに、オブジェをつかむと、その時点で自動的に挟み込むのを止めるように改良した。このため、オブジェの取り込みが地区大会のときより格段に早くなった 足回りでは、オブジェ台や円盤前でマシンの向きの微調整をし易いように、マイコンのプログラムで低速/高速駆動の切り替えを出来るようにした 。

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