とある日の深夜改め早朝にて駄目回路屋、kzです。プリント基板って いいですよね。実は2002年ロボコンの時は、まだ銅配線がうねってました。私は それを、"ら〜めん構造"(黄色い配線がうねる様は器に盛られた麺の如し) などと勝手に呼称し、とても忌み嫌ってました。ちなみにラーメン構造ってのとは 何の関係もないですよ。
そんな訳で、プリント基板に手を出した訳ですが、これがとんでもなく弱い。 燃える燃える、ほんとによく燃えました。
っと言うわけで、ここでは、どうやったら燃えないようになるかな〜ってことを ちょこちょこっと書いてみることにしました。
基本的に電子回路は部品間を、"ビニール被服付き配線"や"プリントパターン" とかで配線します。プリントパターンが重い、なんて話は聞きませんが、銅配線が重い、ってのは たまに聞きます。ってか、結構重いです。
なので、軽量化のために配線を細くしてみましょう。用いる銅配線は0.3sq(sqは断面積の事) でも選んでみましょう。回路やらモータやらを全て0.3sqで配線。 さて、モータ回してみますか!
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被服溶けました、煙出ました、なんか有毒ガスっぽいです
ふー、なにやら命の危険にされされたので、今度はプリントパターンでいきましょう。 プリントパターンの配線太さ(厚さは決まって35μmです)は、たくさん配線するために 1mmに設定。回路やらモータやらを基板に配線。今度は銅配線太いよー、500sqとか(オィ
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プリントパターン焼き切れました、
なんかとてつもなく極端な話でしたが、要するに燃えるんです、細いと。だから太くしましょう。 って言って500sq(実在するのか?)の銅線なんぞで配線(無理だろ、多分)されたら 重くて仕方ないです。ってかそれだけで重量オーバーしそうです。 じゃあ、どうやって決めればいいのさ?
配線には、許容電流が存在します。 配線の許容電流は、このようになってます。
表1-1 単線の許容電流
直径[mm] 許容電流[A] 1.0 16 1.2 19 1.6 27 2.0 35
表1-2 より線の許容電流
公称断面積[sq] 許容電流[A] 0.5 10 0.85 12 1.25 15 2.0 20 たとえば、マブチのRS-540を回そうとしたら、必要な電流は2A、最大5Aぐらいです。 表1-2を見れば、0.5sqでも十分回せることがわかります。ちなみに、500sqのより線 が流せる電流は、842[A]だそうです・・・・ロボコンにゃ使わねぇな、永遠に。
続いてプリントパターンです。プリントパターンの厚さは、大体35μmなので、 許容電流はパターンの幅に影響されます。ふつうは、1A/mm を目安にするそうです。 たとえば、プリントパターンの銅箔太さが0.5mmの場合、許容電流は0.5Aだとわかります
また、プリントパターンには、破壊電流(配線が焼け切れてしまう電流値) が存在します。表2にそれを示します。
表2 プリントパターンの破壊電流
銅箔幅[mm] 破壊電流[A] 0.25 5 0.50 7 1.0 10 この線幅でこれだけの電流が加えられると、配線が溶断する可能性があります。 実は、必ずしもこの電流値で切れると言う訳ではないので、ヒューズ代わりに 使うのは良くありません。などと言いつつ、2003年ロボコンでは、ヒューズ代わり に使ってました。ええ、何もないよりゃマシかな〜っと思って・・・・ダメダメですね。
2003年ロボコンに向けての夏休み合宿中、私はひたすらに叫んでいました。
配線焼ける〜、パターン燃える〜、回路タン萌え〜
・・後半はとりあえず無視するとして、このような叫びをあげない為にも、地区大会 回路を残して、新しく回路基板を作ることにしました。全国大会バージョンと名づけられた (単純だなオィ)この回路は、なぜか今だに燃えてません。っと言うわけで、 私の製作したプリントパターンを下図に示します。
図1 燃えないでほしいなぁ〜
図2 プリントパターン面だけこれは、MOSFETフルブリッジ型モータ駆動回路です。電源ラインがやたら太いです。 なにせこの回路、階段上る為にRS-540を6個同時にフルで回すという、とてつもない仕様要求に 耐えなければならなかったので、こんないかつい姿に。RS-540一個に最大5A流れるとすると、 パターンの幅は、かかる電流が
5[A] * 6 = 30[A]である事から、30mmとなります。太くしなきゃ、やってられません。ですが、実際のこのパターン は30mm無いです。破壊電流の表を見てみると、配線幅のおよそ10倍。つまり、ある程度 細くても、なんとかなるんです実は。しかし、出来る限り許容電流は確保したいです。 破壊電流とは、必ずしもこの電流で溶断しない、すなわち、この電流以下でも溶断する ときゃ溶断するぞ、ってな値ですから、約10倍の余裕があるなどと思ってパターンの 幅を考えると、えらい目見ることになります、多分。
でも、この回路見てると、部品の足の幅によって、パターンの幅が制限されている ところがあります。まぁ、ここはとりあえず、はんだを盛って立体的に太くする事で 対処しました。
プリントパターンは、やっぱりいいです。配線が切れるからって使わないなんてのは とても勿体無いと思います。
どうでもいい話ですが、S-kenは、文明の利器を一つ手に入れました。いや、S-kenが 所有しているわけではないのですが、基板加工機です。これはいいです。なんていうか ほっとくと、基板が出来ているというすばらしさが、なんとも。失敗も少ないってかほとんど 無いし。エッチングより手が汚れないし、産業廃棄物が少ないし。
やっぱりいーですねぇ。ってことで、S-kenで買いませんか?買えませんか、そうですか。
ちなみに、参考資料で示したサイトに行けば、今まで述べた事がだいたい載っています。 あはは、この文書の意味って、、、
ってことで、突っ込み歓迎!ご意見、ご感想は、S-ken掲示板にでも、カキコしていただければ ありがたいです。
1)プリント基板の基礎知識:http://www.nksystem.co.jp/
2)Rev's電線:http://www.fujix-net.co.jp/revpage/
3)許容電流:http://www.kaikou.co.jp/densetsu/